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自作スピーカー・・・次の課題

BHのホーン開口部を塞ぐ手法は、BH派の方なら一度は試されているといると思います。
特に目新しい手法では無いと認知しています。

自作人生を振り返ると、長らくは長岡式BHで満足していましたが、大きさが気になり始めたころがありました。
空気と音との作用に反比例するような考えで、BHの箱を小さくすることに興味が湧き試行錯誤を繰り返していたことが思い出されます。

何本製作したか覚えていませんが、長岡式BHとの法則とはかけ離れた音道の形状にいつの間にかなっていました。
そんな影響で、音は勿論とんでもないブミーな音の小型BHが出来上がっていました。(大汗)
内容は、チェンバー付きのフロントホーンをイメージしたような音道の構造で、必然的に質の悪いブミーな音になるのは予想の範疇でした。

最初の頃は、開口部を塞いで漏れ出す空気の量を調整して、量感を減らすことから入りました。
しかし、音質には大した効果が無く、次のステップのダクトを設ける事を始めました。
バスレフに比べると、長い音道を経て出てくる音に、また、チェンバー化して遅らせるので、当初は相が気になっていました。
人間の感覚は、いい加減な物で、実音を聞いてみると相のずれや遅れが気にならなかった。
そこで、一気にBHの小型化に精進するようになり、現在の石田式BHBSの基本的な音道が確立されています。

BH、BHBSの欠点は、相のずれによるユニットのフロントの音とリアからホーンロードを経て出てくる音のタイムラグによって生じる相互干渉による谷が、100Hzから200Hzの間に発生することです。
ソフトに寄っては気になりませんが、その帯域に掛かる音が出ているときには???になります。
気にしなければ、それ以上に良い面も多いので良いのかなと思っています。

2005年のStereo誌のコンテストの出品作は、フロントにバスレフのユニットを置いて、箱内部にサブ・ウーファー用として石田式BHBSを構成させていました。
この時は、内部にローパスのネットワークを入れて100Hzから上の音をカットして、相による相互干渉を無くす対策をしていました。
この手法は、お金が掛かるので通常の2wayで良いのではと疑問を持ち始めて、2wayの製作にシフトしていた時期もあり、これが、現在のメインの作製に繋がっています。

本当の課題は、ユニットの口径が10cmを越えてくると、不思議な現象で通常の考えで箱を作ると低音の量感が思惑より少なくなる。
どうしても、BHBSの容積が大きくなる。
物理法則に逆らうような真似もしましたが、未だに解決が出来ません。
20cm級も長岡式BHより、大分小振りなBHBSにはなっていますが、2本並べるとタンスサイズはあります。
チェンバー+フロントホーンでは対応が、厳しい。
どうしたら、効率よく共鳴させて良質な低音を作るか?
永遠の課題になっています。

ウーファーを用いると問題は解決しますが、自作派としては箱作りにロマンを感じません。
やはり、箱作りで面白いのは共鳴を利用して、箱の力で音作りをすることにロマンを感じますね。

といつもの独り言でした。

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utaさん

仰る通りですね。
ですから、オーディオを飽きないで楽しんでいられるのだと思います。

 

科学哲学とか少しかじり始めると、2つのレンズ情報を処理している脳が錯視絵に騙される理由を少し考えるとマルチシステムに対しフルレンジスピーカーが位相特性や機器類の音質特性を読み取りにくいとも言えるように思います。フルレンジ愛好家亡き、数十年後マルチシステムが良かったという結論が出る可能性だってあり、それはさらにその後に否定されるかもしれません。良し悪しというのは本来その程度のものなのでしょう。科学的妥当性を極力配したアナログは一つの、最適解とも言えるかもですね、もちろん問題はあるわけですけど。スマホや車の複眼レンズの処理と錯視絵とか面白そうですね。スピーカーはステレオ化することで人の耳を錯視絵的に前後情報を作った、とか。目の前に、同じ重さの大きさの違うオモリを見せたとき、小さい方が軽く見えるとか、それを物理学者が間違え、秤を持ち出し、mg単位の差を学生の前で差があると示してしまったりとか。私達はどれだけ視覚情報の処理を配した比較ができているのか、とか。ブラインドテストの環境の心理的な作用とか。オーディオはまだまだ、話の種に事欠かない、研究分野ですね。

 

アールefuさん

小型化は、経費、場所、工具等、時間、重量の節減など、作る方としては、音以外は良いことずくめです。
音=低音再生がクリアー出来れば夢のスピーカーの誕生です。
小型化を目指しながら、いつの間にか音優先になっているので、先が見えにくいですが、思い出すと挑戦をしている次第です。

BHとBHBS 

> BH、BHBSの欠点は……相互干渉による谷が、100Hzから200Hzの間に発生することです。

これをハッキリと云える方は少ないですね。キャリアを積んだkenbeさんだから説得力があります。
流石の長岡先生でも「谷があるけど気にしなくて良い」位しかあまり欠点は言わなかったです。
たまに、谷のないフラットなスペアナ特性が撮れたりしたので、突っ込まれないようにしていたのかも知れません。
長岡BHは「推奨ユニット以外は保証しない」というスタンスでしたが、最近は僕も含めて、色んな人がBHに挑戦していて、BHBSはその進化の証だと思います。

kenbeさんがBHの小型化を目指してBHBSを造っているのと同じように、僕も小型化を目指して色々やっています。これが共通点ですね。
短いホーンで小型化対応したのがBHBSですが、
僕の場合はスロートを絞って小型化しています。
ホーンの始まりが狭いので長くてもたいした大きさにはならないというのが利点です。
その分、能率が落ちないように吸音材を排除しています。

 

コメントありがとうございます。そう言う可能性もある訳ですね。うちは部屋が悪いので、正しい評価が出来ないのが辛いです。機会がありましたら、持ち込んで聴いて頂きたいです。いずれにせよ、もう少し調整してみます。

 

hidekonさん

実際の音を聴いていないので推測すると、板が薄いので盛大なブーミングの発生により、ミッドバス帯域の量感が増えていると考えられます。
ブミーにすると、解像度が著しく落ちますので、煩い帯域もマスキングをされますので、聴きやすくなりますが何かが失われているはずです。
試行錯誤するのも、自作ならでは楽しみ方です。
大いに楽しんで下さい。


 

最近BHBSとBHの比較をしたいのと、箱作りの練習も兼ねて、改めてFE168SS-HPのバックロードホーンを作成中です。いま仮組して音を出していますが、やはりどこかで管が鳴っているような、鼻づまったような音がしますね。昔のFEよりは大分改善されているような気はしますが、改めてBHBSの自然な出音に感心しています。それにしても、BHにすると、中広域がうるさいのが感じられなくなりました。これは箱の特性なんでしょうかね。あと大音量で鳴らした時のパワー感はやはりすごいですね。いずれにせよ、吸音材をいろんなところに入れてみて、改善があるか実験しています

 

銀四郎お父さん

第3回目のコンテストの時で、当時は方舟で開催されていました。
40歳台だったので体力があったから出来た作品でした。

コンテストを勝ち抜くためには、無い頭で色々と考えました。
この作品が、BHBSのF特をフラットにしていた唯一かもしれませんね。
今回のコンテストも一瞬、この方式が脳裏を過ぎりましたが、箱のサイズを小さくしたかったので断念しています。

木彫Ⅱ 

おそらく、本記事の2005年のSPは木彫Ⅱですよね。
覚えております。
複雑な内部構造にハイカットフィルタ、のみならず箱全体に施された曲面加工とホーン

なんというか、「全部のせ」って感じで、よくこんなことを思いついて実行する人がいるのだなぁとびっくりしました。

ブログをみつけて。「あの人だ」と判った時は感動しました。