fc2ブログ

フルレンジの音質調整の難しさ 【バランス】

4.jpg

良いところ取りの出来るマルチに比べ、フルレンジ単体だとマルチに比べると不利な面が多いと思います。
メーカーで音を決められたユニットを自作派が、色々な手法を用いてユニットに合った箱を料理して、自分なりの音を作っていると思います。

フルレンジも口径により料理の仕方は違う。
コンテストに使用されるフルレンジの口径は、5cm~10cm位が多いかと思いますが、これより大きなサイズになると箱が大掛かりになる可能性も秘めていますので、移動などが大変になりますね。

僕も過去にコンテストに参加したことが何度かありました。
ミューズの方舟さんのコンテストは、他しかFE103E?がレギュレーションだったように記憶しています。
その後の、Stereo誌主催の自作スピーカーコンテストもFE103Eで、2回目以降は、8cmと口径が小さくなったように記憶しています。

話が少し脱線しましたが、小口径フルレンジでコンテストを音質、デザイン、アイディアなど競い合います。
小口径フルレンジで足りないのは、低音の量感とレンジです。
小口径だから低音無視の密閉、シングルバスレフでは低音の量感は知れています。
モニター風に聴こえても、質感のある余裕で音楽性豊かな鳴り方をするスピーカーには間違ってても聞こえてこない。
勝負は、良質な低音再生でバランスの取れた中高音になるかと思います。

第一回目のようにレギュレーションでユニットが決まっている場合は仕方がないですが、口径のだけの指定の場合は、ユニット選びも勝因に繋がります。
出来るだけ中高音の質の良いもを選ぶと後が楽です。
低音を持ち上げる工夫さえすれば、特に何もしなくてもバランスの良い音源が得られた。
フルレンジの中高音はメーカーで音が決められていて、この音色を箱の力で変えるのは困難です。
最も、メーカーの音もグレードが変わっただけでも音色の違いがありますので、ユニットの音色は様々ですね。

自作派によって様々に作り出された低音に、変えようのないメーカーの中高音がプラスされている状況で箱の音が決まっている。
例えば、ミッドバスを持ち上げれば肉は付きますが、中高音の解像度がマスキングされて落ちます。
箱鳴りも一種のブーミングになりますので、程よい肉付きになる場合もありますが、中高域の解像度を落とす原因にもなります。
逆は、硬く煩い音になる可能性がありますので、丁度良いところを探し出すのは大変な作業になりますね。

低音の質、量感次第で良い感じに鳴ってくれると言っても過言ではないと経験で感じています。
フルレンジを使用した自作スピーカーの中高音を希に評価する方がいますが、殆どメーカーの音を評価していると言っても過言ではないと思います。
その辺が良ければ、素晴らしいユニットをメーカーが作っていることになり、複数買いになります。

フルレンジは、マルチに比べると一般的にコストが掛からない、面倒なネットワークが無いなどと簡単に思われがちですが、出ない低音、出難い低音を出す工夫、メーカーで作られた音を自分なりに好みな音に仕上げる難しさ【ほとんど無理】、バランスの取り方などマルチに比べると難しいですが、フルレンジならでは音色、纏まりは捨てがたく、難しさが楽しさに繋がり、達成感も多い自作スピーカー派の醍醐味ですね。

現在は、フルレンジの低音を共鳴でどこまで出せるかの挑戦をしています。
研究途中ですが、ローコストでサブウーファー不要のワイドレンジの夢のフルレンジの完成を目指しています。

また、脱線ですが、マルチも2wayより3wayの方がバランスが取り易いと感じているのは僕だけでしょうか?

コメント投稿

  • URL
  • コメント
  • パスワード
  •  管理者にだけ表示

 

suzukiさん

低域の量感やダイナミックレンジを考慮した箱を作った経験のある方ならご理解が頂けるかと思います。

 

私も、多分、3ウェイのほうが2ウェイよりもバランスが取りやすいし、定位も良いのではないかと思います。
今までの思い込みによる知識は、さんざん自分で否定することになりました。
ミッドバスを稼いで中高音の解像度が悪くなるという意見、よく分かります。
逆に、このように考えない人とは話が合わない感じがします。