懐かし夢のオーディオルーム計画・・・結果はレ・ミゼラルブ

20年程前に、近隣からの騒音苦情の嫌みを頂いてから遮音性能重視の部屋の構築が夢でした。
遮音重視の住宅の構造は、坪単価が割高になりますが、鉄筋コンクリート壁構造の住宅がベスト考えて18年前に建築会社に発注しました。
家の構造レベルでは、ハイエンド住宅なると思います。
階下の構造上、横幅図面の通りですが、今考えると逆梁構造で90cm横幅を広げることが出来たと大後悔しています。

建築会社のパンフレットからの抜粋です。
コンクリート厚みは、壁180mm、天井、230mm、床230mmあり、その上に内断熱で60mm程の断熱材(発泡スチロール)を5mm+5mmのケイカル板若しくは床材で押さえています。
構造は、冷蔵庫状態で音も逃がしませんが、熱も逃がさない。

重複しますが、壁構造の断面図です。
しかし、この夢のお陰で苦悩が始まりました。
1.音が抜けないので低域が膨らんでボワンボワンになった。
対策:箱を部屋に合わせて作り直しました。(この時期は、10cm以下小口径だった。)
2.クロスを貼る前の状態で音を確認すると、反響が凄くてラジカセの音がファンファンとサイレン状態。
対策:天井を高級吸音テックスで覆い、前面壁にタペストリーを設置
3.電源をCVSの5.5スケアーを使用したら、音が膨らみすぎた。
対策:エージングしかなかった。
4.防音ドアはヤマハアビテックス使用。
問題なし
結果は、音が死んだ。
吸音物は、むき出しで設置する事が原因で、高域が一気に吸音されて事が原因でした。
今でも、調音と評して吸音体のパネルやグッズを使用しているお部屋を見ますが、一時的な処置で決して良い音にはならない。
吸音体は、目に見えないところで耳の1次反射に影響の無いところ行なうべきだと思いました。
たまに、この手の調音で吸音グッズや反射物を見ることがありますが、過去の自分を見ているようで懐かしくなります。
そして苦悩すること5年
音の性質の猛勉強を下結果、試行錯誤で鉄筋コンクリート造の調音を克服。
調音の基本的なこと
①:定在波を減らして低音域の不快な圧迫感を解消する。
四角い部屋では、定在波の軽減は不可能に近い。
機密性の悪い部屋か、広い部屋なら気にしなくても良い。
壁全体を斜めにしなければならないので、基本的には無理がある。
②:フラッターエコーを減らして音の透明度を上げる。
左右の壁を3°斜めにすれば解消する。片側だけなら6°
専用のパネルの設定が必要になる。
カーテンで簡単に取れますが、これは音が死ぬ。
自室の天井の対策と同じになる。
③:壁・床・天井の振動を減らしてブーミングを解消する。
④:初期反射音を増やして楽器の佇まいを明確にする。
専用パネル(凹凸)、ただし、やり過ぎると癖が出るので注意が必要。
凹凸のピッチも考えないと、中高域で凹凸が出やすくなる。
⑤:残響音のエネルギーバランスを整えて音楽の躍動感をアップさせる。
基本的には、ライブにする事ですが、やり過ぎると煩くなる。
フラッターを退治すると短くなる。
風呂場の様にならないように注意が必要。
⑥.部屋の全ての面(天井、床、壁、窓、ドア)強度。
⑦⑧は、苦労しましたので、内緒。(笑)
強度不足は、ブーミングの温床となるため、ミッドバス帯域のレベルが上がり、音が篭る。
自室の場合は、断熱材の上にあるケイカル板10mmが大きな一つの面となり、大型ドローンコーン状態になっていた。
対策は、重量有る斜めパネルを貼り付けて、重みとパネルの強度で対応した。
パネルの内部には吸音体と板振動での吸音効果を持たせていたので、フラッターエコー、ブーミング、低音の吸音と一気に部屋の調音が進みました。
部屋は、業者に頼んでも完全な納得の行く部屋は、お金を幾ら積んでも出来ないと思います。
それは、業者と施主の音への拘りの違いがあるからで、業者で基本的な音の部屋は出来ますが、残りの部分は施主の妥協か?
施主の調音能力に関わってきます。
何事も、人任せでは前に進まなくて、業者は資材調達ぐらいに考えて自己の能力を磨くのが良い部屋の早道と考えています。
音の性質が分かると、部屋だけでは無くてスピーカーの箱作りにも役立ちます。
部屋の調音と箱作りは、同じ線上有るような気もします。
何だ~かんだ~と言っても、ルームオーディオでは、お部屋が一番重要なアイテムですね。